○坂祝町男女共同参画推進条例
平成26年3月17日
条例第2号
目次
第1章 総則(第1条~第9条)
第2章 基本的施策(第10条~第15条)
第3章 苦情等の処理(第16条~第18条)
第4章 雑則(第19条)
附則
日本国憲法において個人の尊厳と法の下の平等がうたわれ、私たちは、性別にかかわらず一人ひとりが個性ある個人として大切にされなければなりません。
しかし、性別による役割分担意識やそれに基づく社会慣行は依然として根強く、男女の自由な活動の選択の妨げとなっています。
今、私たちの社会は、少子化や高齢化が急速に進むなど大きく変化しています。その中で、未来に向けて明るい希望を持ち、生き生きとした豊かな社会をつくっていく必要があります。そのためには、家庭、職場、学校、地域など社会生活のあらゆる場面で男女が平等な立場で、その個性と能力を十分に活かし、ともに責任を果たしていくことが必要です。
坂祝町では、この町の男女全ての人が、お互いにその人格を尊重しつつ責任を分かち合い、社会的・文化的に形成された性別意識にとらわれず、その個性と能力を十分に発揮して、その人らしく暮らすことができることを願い、全ての人が暮らしやすいまちづくりを推進するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女平等の推進にむけた男女共同参画の実現(以下「男女共同参画施策」という。)に関して、基本理念を定め、町、町民、事業者及び教育に携わる者の責務を明らかにするとともに、町の施策の基本的事項を定めることにより、男女の人権が尊重され、男女が共に社会のあらゆる分野の活動に参画する社会を築き、豊かで活力ある地域社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、性別にかかわりなく個人として尊重され、一人ひとりにその個性と能力を発揮する機会が確保されることにより、対等な立場で社会のあらゆる分野における活動に男女が共に参画し、責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方の生活環境を害すること又は性的な言動に対する相手方の対応によってその者に不利益を与えることをいう。
(4) 町民 町内に住所を有する者又は在勤若しくは在学する者をいう。
(5) 事業者 営利又は非営利を問わず、町内において活動を行う個人、法人、各種団体及びその他の団体をいう。
(6) 教育に携わる者 学校、保育、地域及びその他のあらゆる教育の場において教育に携わる者をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次の各号に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。
(1) 男女が、性別により差別されることなく、個人としての人権が尊重されること。
(2) 性別によって役割を分けるような習慣を改めること。
(3) 男女が社会の対等な構成員として、町における施策及び事業者における方針の立案及び決定に対等に参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすること。
(5) 配偶者間その他の男女間における暴力的行為(身体的又は精神的な苦痛を著しく与える行為をいう。以下同じ。)が根絶されること。
(6) 男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際社会の動向を考慮すること。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。)を総合的かつ計画的に策定し、実施しなければならない。
2 町は、男女共同参画の促進に当たり、町民、事業者及び教育に携わる者(以下「町民等」という。)、国及び他の地方公共団体並びに関係団体と連携に努めるとともに、男女共同参画施策を実施するために必要な体制を整備しなければならない。
(町民の責務)
第5条 町民は、基本理念に基づき、男女共同参画についての理解を深め、職場、家庭、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 町民は、町が行う男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念に基づき、男女共同参画についての理解を深め、男女が対等に参画する機会を確保し個人の能力を適正に評価するよう努めるとともに、職業生活と家庭生活とを両立して行うことができる職場環境の整備に努めなければならない。
2 事業者は、町が行う男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(教育に携わる者の責務)
第7条 教育に携わる者は、基本理念に基づき、教育を行うに当たっては、果たす役割の重要性を認識し、性別にとらわれず個性を尊重し、能力が発揮できるよう努めなければならない。
2 教育に携わる者は、町が行う男女共同参画施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による人権侵害の禁止)
第8条 何人も、あらゆる場において、性別を理由とする権利の侵害や差別的扱いを行ってはならない。
2 何人も、あらゆる場において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
3 何人も、夫婦間を含む全ての男女間において、個人の尊厳を踏みにじる暴力的行為や虐待を行ってはならない。
(公衆に表示する情報への配慮)
第9条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担を助長する表現、その他男女共同参画の推進を阻害するような表現を行わないよう努めなければならない。
第2章 基本的施策
(基本計画)
第10条 町長は、男女共同参画施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 町長は、基本計画を策定するに当たっては、町民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。
3 町長は、基本計画を策定したときは、直ちにこれを公表しなければならない。
4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第11条 町は、町の実施する施策の全般にわたり、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。
(附属機関等における構成員の男女均衡)
第12条 町は、附属機関等の委員その他構成員を任命し、又は委嘱する場合には、積極的改善措置を講じることにより、できる限り男女の均衡を図るよう努めなければならない。
(家庭生活における活動と他の活動の両立支援)
第13条 町は、男女がともに家庭生活における活動と職場や地域等における活動を両立することができるように、必要な支援を行うよう努めなければならない。
(教育の推進)
第14条 町は、町民等への基本理念の普及を図り、男女共同参画施策について理解を深めるため、男女共同参画に関する教育の推進その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。
2 町民は、生徒、児童及び幼児(以下「生徒等」という。)に対し、基本理念の普及を図り、男女共同参画施策について理解を深めるため、家庭及び地域において、男女共同参画に関する教育を行うよう努めなければならない。
3 事業者は、従業員に対し、基本理念の普及を図り、男女共同参画施策について理解を深めるため、職場において、男女共同参画の推進に関する教育を行うよう努めなければならない。
4 教育又は保育に関する施設を設置し、又は管理する者は、生徒等の発達段階に応じた男女共同参画に関する教育の推進に努めなければならない。
5 町は、前3項の規定による男女共同参画に関する教育の推進を支援するため、情報の提供、助言その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(防災の分野における施策の推進)
第15条 町は、防災の分野において、男女共同参画社会の形成が推進されるよう必要な措置を講じるよう努めなければならない。
第3章 苦情等の処理
(施策に対する苦情の処理)
第16条 町は、男女共同参画施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し、町民等から苦情の申出を受けたときには、苦情の処理のための必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(相談の申出への対応)
第17条 町は、男女共同参画の推進を阻害する要因となる性別による人権侵害に関し、町民等から相談の申出を受けたときは、関係機関と連携を図り、必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(守秘義務)
第18条 町民等から相談を受けた者は、職務上知り得た情報を他に漏らしてはならない。
第4章 雑則
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。