○坂祝町空き家等の適正管理に関する条例

平成30年9月21日

条例第29号

(目的)

第1条 この条例は、空き家等の適正な管理に関し所有者等の責務を明らかにするとともに、管理不全な状態にある空き家等に対する措置を定めることにより、町民等の生命、身体及び財産の保護並びに生活環境の保全を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定する建築物をいう。

(2) 空き家等 町内に所在する建築物その他の工作物で、常時無人の状態又はこれに類する状態にあるもの及びその敷地をいう。

(3) 管理不全な状態 空き家等が次のいずれかの状態にあるものをいう。

 建築物その他の工作物が倒壊し、又はその建築材料が脱落し、又は敷地内に存する樹木の倒木により若しくは飛散することによって、人の生命、身体又は財産に係る被害が生じるおそれのある状態

 草木の著しい繁茂又は不法投棄を誘発する等、周辺の生活環境の保全上支障が生じるおそれのある状態

 ゴミ等が散乱する等、悪臭が発生するおそれのある状態

 景観の悪化や周辺地域のイメージを低下させるおそれがある状態

 建築物に施錠がされていない等により、不特定の者の侵入を容易に許し、火災や犯罪を誘発するおそれがある状態

(4) 所有者等 空き家等の所有者、占有者、相続人、財産管理人その他空き家等を管理すべき者をいう。

(5) 町民等 町内に居住し、若しくは滞在し、又は勤務し、若しくは通学する者、又は町内で事業を行う法人その他の団体をいう。

(所有者等の責務)

第3条 空き家等の所有者等は、当該空き家等が管理不全な状態にならないよう、常に自らの責任において適正な管理に努めなければならない。

2 所有者等は、自ら使用する見込みがない空き家等を有効活用するよう努めるものとする。

(町の責務)

第4条 町は、この条例の目的を達成するため、次に掲げる事項を実施するものとする。

(1) 空き家等の適正な管理及び空き家等が管理不全な状態になることの防止について、町民等に対する意識啓発に関すること。

(2) 管理不全な状態にある空き家等の改善を図るための必要な施策の実施に関すること。

(3) 活用可能な空き家等についての有効活用の促進に関すること。

(情報提供等)

第5条 何人も、適正な管理が行われていないと認める空き家等を発見したときは、その情報を町に提供することができる。

2 何人も、町長から依頼があった場合は、必要な調査に協力するものとする。

(調査等)

第6条 町長は、前条第1項の規定により情報提供があった場合又は管理不全な状態と認められる空き家等を発見した場合は、当該空き家等の状況について、所有者等の所在、建築物の状態、危険な状態の程度等必要な事項の調査を行うことができる。

2 町長は、この条例の施行に必要な限度において、職員に必要な場所への立入調査をさせ、又は関係者に質問させることができる。

3 前項の規定により立入調査又は質問する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第2項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(助言又は指導)

第7条 町長は、前条の規定による調査等により空き家等が管理不全な状態であると認めるときは、当該空き家等の所有者等に対し、その適正な管理を行うよう必要な措置について助言又は指導することができる。

(勧告)

第8条 町長は、前条の規定による助言又は指導を行ったにもかかわらず、なお当該空き家等が管理不全な状態であると認められるときは、当該空き家等の所有者等に対し、期限を定めて、その適正な管理のために必要な措置をとるよう勧告することができる。

(命令及び標識の設置)

第9条 町長は、前条の規定による勧告に応じないときは、当該空き家等の所有者等に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとることを命令することができる。

2 町長は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめその命令の対象となる者について通知書を交付し、意見書の提出及び公開による意見の聴取の機会を与えなければならない。

3 町長は、第1項の規定による命令をしたときは、次に掲げる事項を記載した標識をその空き家等に設置することができる。この場合、当該空き家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

(1) 第1項の規定による命令を受けた者の住所及び氏名(法人にあっては、主たる事務所の所在地、名称及び代表者の氏名)

(2) 第1項の規定による命令の内容

(3) 前2号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項

(公表)

第10条 町長は、前条に規定する命令を行ったにもかかわらず、当該空き家等の所有者等が正当な理由なく当該命令に係る措置をとらなかったときは、当該所有者等に意見を述べる機会を与えた上で、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 前条第3項各号に掲げる事項

(2) 前条第1項の規定による命令の対象となった空き家等の所在地及び用途

(代執行)

第11条 町長は、第9条第1項の規定による命令を受けたものが当該命令に従わない場合において、他の手段によって履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の規定に基づき代執行を行うことができる。

(緊急安全措置)

第12条 町長は、第6条の規定による調査等の結果、空き家等が保安上危険な状態にあり、町民等の生命、身体又は財産に対する危難を緊急に回避する必要があると認めるときは、第7条から前条までの規定にかかわらず、その危難を回避するために必要と認められる最低限度の措置を講じることができる。

2 前項の場合において、町長は、あらかじめ、当該空き家等の所有者等の同意を得るものとする。ただし、所有者等を確知することができない場合、又はその状態に照らし所有者の同意を得るいとまがない場合等やむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

3 町長は、第1項に規定する措置を講じたときは、当該空き家等の所有者等に通知し、その費用を徴収するものとする。ただし、その者にその費用を納付させることが困難な特別の事情があると認められるときは、これを減免することができる。

(空き家等の所有者等を確知することができない場合の公表)

第13条 町長は、空き家等の所有者等を確知することができない場合において、当該空き家等が管理不全な状態にあるときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 当該空き家等の所在地

(2) 管理不全な状態の内容

(3) 管理不全な状態を解消するために講じるべき措置

(4) その他町長が必要と認める事項

(坂祝町空家等対策協議会)

第14条 空家対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)第8条第1項に規定する協議を行うため、坂祝町空家対策協議会を設置する。

2 町長は、第8条の規定による勧告から第11条の規定による代執行をしようとするときは、坂祝町空家等対策協議会の意見を聴くものとする。

(関係機関等との連携)

第15条 町長は、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、警察その他の関係機関に管理不全な状態にある空き家等に関する情報を提供し、当該管理不全な状態を解消するために必要な協力を求めることができる。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

(令和5年条例第30号)

この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。

坂祝町空き家等の適正管理に関する条例

平成30年9月21日 条例第29号

(令和5年12月13日施行)