○坂祝町開発事業整備基準
平成23年4月1日
訓令第27号
(趣旨)
第1条 この基準は、坂祝町開発事業指導要綱(平成23年訓令第25号。以下「要綱」という。)第5条第2項の規定に基づき、開発協議における公共施設及び公益的施設の整備に関し、必要な事項を定めるものとする。
(準用規定)
第2条 この基準において定めのない事項は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第33条による基準、岐阜県宅地開発指導要領を準用する。
(総合計画等との適合)
第3条 土地の利用目的は、坂祝町総合計画その他の土地利用に関する計画に適合するものであること。
(防災措置)
第4条 土地の区画形質の変更は、現況の土地に沿った計画とし、土工量も最小限とすること。
2 開発区域の現況及び開発事業により予想される災害等について事前に調査、把握してあること。
3 工事の施行に当たっては、防災工事(仮設工事を含む)を先行し、崖崩れ、土砂の流出、地滑り、出水等の災害が発生しないように適切な措置が講じられているものであること。
(環境保全対策)
第5条 森林の伐採は、最小限にとどめ、開発事業の種別に応じ相当面積の緑地を確保されているものであること。
2 建物その他の構造物の位置、規模、構造及び色彩は、周辺の自然環境に調和するものであること。
3 開発区域内には緑地を確保するとともに、植栽及び植樹を行い緑化に努めること。
4 乗り入れ口付近の植栽及び植樹は低木で施工すること。
(公害の防止)
第6条 開発事業により生ずる汚濁水は、開発区域内に必要な施設を設け、浄化した後でなければ開発区域外へ放流しないこと。
2 開発事業により発生が予想される騒音、振動、粉塵等は、近隣住民の日常生活に影響を及ぼさないよう発生防止に努めること。
3 開発事業により発生が予想されるテレビ等の電波障害は、事前に調査を行い、障害発生のおそれがあるときは、必要な措置を講ずるものとする。
4 町長が必要と認めた開発事業については、環境保全協定を締結するものとする。
(農林水産対策)
第7条 地域社会及び農林漁業その他の地域産業との調和が保たれるものであること。
2 灌漑用水に支障を及ぼし、又は水質汚濁等により農林水産業に影響を与えるおそれがある開発事業は計画しないこと。
(文化財)
第8条 開発区域及びその周辺に文化財があるとき、又は遺跡等の埋蔵文化財包蔵地を開発しようとするときは、事前に教育委員会及び関係機関と協議するものとする。
2 工事施工中に開発区域内より埋蔵文化財を発見した場合は、速やかに工事を中止し、教育委員会及び関係機関の指示に従うものとする。
3 前2項において、発掘、調査、保存等に係る費用は事業者の協力を得て行うものとする。
(道路計画)
第9条 道路計画は、既存の道路機能を損なわないように計画すること。また、新設及び改良を要するときは、事業者の負担において行うこと。
2 開発区域内に新たに設置される道路は、原則として袋路状としないこと。
3 道路側溝は次のように施工すること。
(1) 道路(位置指定道路を含む)に設置する側溝は、PU―3型側溝又は、可変勾配側溝の車道用(T―25)を使用すること。
(2) 側溝蓋は、車道用(T―25)を使用し、10mにつき1枚はグレーチング蓋とすること。
(3) 側溝の基礎は、均しコンクリート t=10cmとすること。
(4) 横断側溝は二次製品若しくは現場打ち施工とし、大型車両の通行に影響のない構造(T―25)とすること。
(5) 横断側溝に二次製品を使用するときは、均しコンクリートは堅固な構造とし、必要に応じ有筋構造とすること。又、t=15cm以上とすること。
(6) 横断側溝の蓋は、車道用(T―25)グレーチング蓋とし、ボルト固定にて防音及び跳ね上げ防止措置を行うこと。
(7) 横断側溝は、原則として開渠で施工すること。ただし、開渠で施工できない理由がある場合は、暗渠での施工を認めるものとする。
(8) 横断側溝の勾配は、0.3%以上とし、たるみによって排水が溜まることのない構造とすること。
(9) 横断側溝の流速は0.8m/sec以上5m/sec未満となるような設計とすること。
4 接続道路は次のように施工すること。
(1) 開発区域の面積が3,000平方メートル未満の開発事業において下記の条件を満たすものは、岐阜県宅地開発指導要領の基準にかかわらず、接続する区域外道路の幅員は4m以上とすることができる。ただし、区域外道路の幅員が4mに満たない場合は、条件を満たすところまで、原則として事業主自ら拡幅すること。なお、道路構造等は管理者等と協議の上決定する。
ア 開発区域へ大型車両等の進入が認められないとき。
イ 中高層建築物(高さが地上15m以上のもの又は、地上階数4以上のものをいう。以下同じ。)の建設ではないとき。
ウ 戸建住宅及び集合住宅で、計画戸数が50戸未満のとき。
(2) 前号の条件以外のときは、接続する区域外道路の幅員は6m以上とする。ただし、区域外道路の幅員が6mに満たない場合は、条件を満たすところまで、原則として事業主自ら拡幅すること。なお、道路構造等は管理者等と協議の上決定する。
(3) 前2号において、事業主自ら拡幅した部分は、道路敷地として所有権を町に移管するものとする。
5 崖面又は水路等に面する道路は、防護柵等により安全を期すものとする。
6 開発区域の面積が3,000平方メートル未満の開発事業においては、必要に応じて道路位置指定を受けるものとする。
(排水施設)
第10条 排水計画は水系別に検討し、既存の河川、溜池又は排水路等に排水するときは、事前に当該施設の所有者及び管理者と協議し、又は同意を得るものとする。
2 開発区域内を舗装する場合は、浸透舗装で施工すること。また、雨水排水を桝で受ける場合、浸透桝を使用し、排水量を申請区域内で処理する努力をすること。
3 開発区域内から生ずる排水の放流については、排水先施設の流下能力の検討を実施し、必要に応じて排水先施設の改修及び調整池等を設置するものとする。
4 開発区域面積が、3,000平方メートル未満の事業については排水先の直接施設について流下能力の検討を実施し、必要に応じて排水先施設の改修及び調整池等を設置するものとする。
5 調整池等の必要性の検討は、岐阜県宅地開発指導要領の算定方式を用いて行うものとする。ただし、10,000平方メートル未満の開発事業においては、表1の流出係数及び表2の降雨強度の数値を用い計算式1の算定方式を用いて行うことができるものとする。
表1 流出係数
地表の状況 | 田 | 畑 | 優良林地 | 普通林地 | 雑種地 | 宅地 |
係数 | 0.8 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.95 | 1.0 |
表2 降雨強度(単位mm/hr)
排水施設 | 調整池容量 | 余水吐能力 |
142 | 183 | 231 |
計算式1 調整池容量
Q=1/360×(f1-f2)×r×A×t
Q:調整容量(立方メートル) f1:開発後の流出係数 f2:開発前の流出係数
r:降雨強度(mm/hr) A:開発面積(ha)
t:1,800(30分)
6 下流農業用排水路等の現況流下能力の最小値を検討する場合、副断面がある場合においては、図1のようにハイウォーターレベル(以下「HWL」という。)を30cmとする。
図1
7 開発区域内の排水を既存水路等へ接続するときは、開発区域内の排水路及び調整池の敷高が既存水路のHWLより上になるようにし、吐出口の構造を次のようにするものとする。
(1) 農業用排水路は図2及び図3のようにプレハブ水路の敷及び法面を保護し、副断面を侵さないものとする。
図2
図3
(2) 道路側溝は合流桝を設け、調整池の敷高は現況側溝のHWLより上に計画すること。
8 調整孔の穴の大きさは、計算式2の算定方式を用いて行うものとする。
計算式2
A:調整孔の断面積(m2) Q;下流への可能放流量(m3/sec)
C:係数0.6 g:9.8(m/sec2)
h:調整孔断面中心より水深(m)
(1) 下流の可能放流量の算定は、現況流下能力の変化地点ごとに比流量を算定し、その最小となる地点の流量を可能放流量として用い、計算式3・4の算定方式を用い、表3の粗度係数を用いて行うものとする。
計算式3
Qn/An
Qn:変化地点の流下能力=A×V
An:集水面積
計算式4
n:粗度係数 R:径深=A/P(m) I:勾配 A:流水の断面積(m2)
V:流速(m/sec) P:潤辺(m)
表3
河川及び水路の状況 | nの標準値 |
一般河道 | 0.035 |
急流河川及び川幅が広水深の浅河 | 0.045 |
三面張水路 | 0.025 |
コンクリート工水路 | 0.02 |
コンクリート管及びU字溝(コンクリート二次製品) | 0.013 |
U型水路(現場打ちコンクリート) | 0.015 |
組立水路 | 0.03 |
両岸石張小水路 | 0.025 |
(A):開発面積(ha) (A1):ア地点の集水面積(ha)
(A2):イ地点の集水面積(ha) (A3):ウ地点の集水面積(ha)
Q:開発地区の許容放流量(m3/sec) Q1:ア地点の現況流下能力(m3/sec)
Q2:イ地点の現況流下能力(m3/sec) Q3:ウ地点の現況流下能力(m3/sec)
ア地点…Q1/A1 イ地点…Q2/A2 ウ地点…Q3/A3
※最小値を選定し、その流量を求める
(2) 許容放流量の算定は、算定式5の算定方式を用いて行うものとする。
計算式5
Q=A/A1×Q1
Q:許容放流量(m3/sec) Q1:流下能力の最小値(m3/sec)
A:開発面積(ha) A1:最小値地点の集水面積(ha)
(3) 余水吐の計画流量の算定は、計算式6の算定方式を用いて行うものとする。
計算式6
Q=1/360×f×r×A
Q:計画流量(m3/sec) f:流出係数(1.0)
r:降雨強度(231mm/hr) A:開発面積(ha)
(4) 水通し断面に係る水通し長(底幅)の算定は、次の式を用いて行うものとする。
ア 両側法が5分の場合は、計算式7の算定方式を用いて行うものとする。
計算式7
イ 両側法が1割の場合は、計算式8の算定方式を用いて行うものとする。
計算式8
ウ 両側法が垂直の場合は、計算式9の算定方式を用いて行うものとする。
計算式9
Q:計画流量(m3/sec) B0:水通し長(底幅)(m)
h:縮流前の越流水深(m)(ただし、Hの1/2以下)
(5) 余裕高は、水深の2割以上とする。ただし、水深が1mに満たない場合は、20cm以上とすること。
(消防利水)
第11条 開発事業に当たっては、消防利水の基準(昭和39年消防庁告示第7号)に適合した消防利水を開発区域内の消火対象物から表4に掲げる距離以内となるように配置するものとする。ただし、消火栓及び防火水槽の施設割合については、町長と協議するものとする。
2 消防利水の設置については、原則として建築物が建築される開発事業に適用するものとする。
3 3,000平方メートル未満の開発事業で、開発区域外に消防利水がある場合、表4の配置基準以内に開発区域が含まれれば、設置しなくてもよいこととする。
表4
種類 | 配置の基準 |
消火栓 | 60m以内 |
防火水槽 | 400m以内 |
(給水施設)
第12条 町の水道施設から給水を受けようとするときは、事前に町長と協議するものとする。
2 集合住宅等を建設する場合、計画戸数5戸以上の場合は受水槽を設置することとする。
(下水道施設)
第13条 公共下水道又は農業集落排水(以下「下水道」という。)への接続について、下水道処理区域内の汚水は、下水道の供用開始後は速やかに下水道管へ接続するものとする。この場合、開発区域内の下水道施設の設置は、事業者の責任において行うものとすること。
2 開発に伴う開発区域外の下水道施設の工事は、水道環境課が工事の必要性について検討し、必要であれば、町が当該工事を実施するものとすること。
3 下水道施設は、町の下水道に関する計画に適合させ、下水道法(昭和33年法律第79号)、下水道施設基準(日本下水道協会発行)、坂祝町下水道条例(平成5年条例第9号)、坂祝町農業集落排水処理施設の管理に関する条例(平成2年条例第25号)、坂祝町下水道条例施行規程(平成31年上下水道事業管理規程第11号)、坂祝町農業集落排水処理施設の管理に関する条例施行規程(平成31年上下水道事業管理規程第12号)並びに坂祝町排水設備施工基準(平成31年上下水道事業管理規程第20号)に基づき設計し、坂祝町下水道排水設備指定工事店規程(平成31年上下水道事業管理規程第16号)の規定による指定工事店を通じて工事を行わなければならない。
4 下水道処理区域において設置された下水道施設は、検査済証交付までに町に移管することとし、敷地については、検査済証交付までに帰属又は寄附申出しなければならない。
(集会施設)
第14条 住宅を目的とする開発事業にあっては、区域住民の集会施設を表5の基準により設置するものとすること。
表5
種類 計画戸数 | 面積条件 | 戸建住宅 | |
施設面積 | 敷地面積 | ||
30戸以上50戸未満 | 基準面積 | ― | 160m2以上 |
加算面積 | ― | 1戸増すごとに4.0m2 | |
50戸以上200戸未満 | 基準面積 | 130m2以上 | 240m2以上 |
加算面積 | 1戸増すごとに1.5m2 | 1戸増すごとに2.5m2 |
2 計画戸数が200戸以上の場合は、町長と協議するものとすること。
3 集会施設は事業者において建築し、電気、ガス、水道、便所、物置、簡易な炊事施設の設置及びその集会施設として必要な備品を設置するものとすること。
4 集会施設の設置については、計画書をもって事前に町長に協議するものとすること。
(ゴミ集積場)
第15条 住宅を目的とする開発事業にあっては、町長及び地元自治会と協議の上、設置するものとする。
(1) おおむね30戸に1箇所以上設置するものとすること。
(2) 位置は公道に接すること。
(3) ゴミ集積場は、ブロック等において囲い、民地内で積込みできる位置とすること。
2 集合住宅等を建設する場合、おおむね100m以内にゴミ集積所がある場合(近接集合住宅のゴミ集積場を含む)は、既設のゴミ集積所を利用するように努めること。なお、既設のゴミ集積所が小さい場合は、事業者において改修すること。
(街区の設計基準)
第16条 画地形状は、ほぼ正方形に近い長方形とし、短辺と長辺の割合を1:(1~1.5)程度とし、やむを得ず尖形住宅等となる場合は、建物の配置等支障のないよう十分な広さとするものとする。
2 一画地の面積は200平方メートル以上とするものとする。
3 画地は3メートル以上道路に接するものとし、原則として旗竿状としないこと。ただし、旗竿状敷地が開発区域内で1を越えず図4による場合は、この限りでない。
図4
附則
(施行期日)
1 この基準は、公布の日から施行する。
(坂祝町公共公益施設等整備基準の廃止)
2 坂祝町公共公益施設等整備基準(平成5年告示第80号)は廃止する。
附則(平成25年訓令第46号)
この基準は、公布の日から施行する。
附則(平成29年訓令第14号)
この基準は、平成29年4月1日から施行する。
附則(平成31年訓令第4号)
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。
附則(平成31年訓令第10号)
この訓令は、平成31年4月1日から施行する。